いざ作り始めると、着物が普通の裏地用の素材と全く異なるということが分かりました。
着物の刺繡の裏側には、糸が無数に織り交ぜられていて、ミシンで縫ったり貼ったりする時にその糸が邪魔をして非常に加工しにくいんです。
それでもなんとかかばんに仕上げて、使い心地を確認するために実際に持ってみることにしました。
その時予想してなかったことが起こります。
それは、出来上がったときにはすごい豪華なものが出来た!としか思わなかったのですが、毎朝かばんを開けるたんびに着物の柄が僕の目に飛び込んできて、「僕は小さい頃から祖父母や両親に大事に育ててきてもらってんな。ありがたいな」と思うようになったのです。